MARKITONE

  • facebook
  • contact
  • fav

NPS®とは?調査の注意点や意味・計算方法、お客様満足度との違い【解説資料付き】

NPSのすべてを徹底解説!
NPS®(ネットプロモータースコア)とは?
#初心者向け #要注意! #知っておこう!

目次

  1.  NPS(ネットプロモータースコア)とは?
  2.  NPSの計算方法
  3.  事例紹介
  4.  NPSの意味、指標としての活用方法
  5.  NPSとお客様満足度(CS)の違い
  6.  NPS調査方法は2種類ある!
  7.  質問文の表現・設問項目の注意点
  8.  NPSを導入、評価する際のポイントを解説
  9.  要注意!日本におけるNPS調査
  10.  NPSの目標設定と解説資料
  11.  まとめ
  12.  M-ONEのご紹介

 

近年、企業活動を適切に行うために広く利用されるようになってきたNPS(ネットプロモータースコア)について、NPSとはどんな指標なのか、その意味から計算方法、スコアなどの概要から、アンケートでの調査方法、さらには導入・評価に関する注意点まで解説していきます。

 

NPS(ネットプロモータースコア)とは?

 

 

NPS(Net Promoter Score)は、アメリカのベイン・アンドカンパニー社が提唱して、広く使われるようになった指標で、友人や家族などに商品やサービス、あるいは企業そのものをすすめたいと思う度合い(推奨度)をスコアに表します

 
・NPSを導入するメリット

 

この指標を使えば、後得られる可能性のある顧客の存在や収益の予想が立てられるため、経営に活かしやすいことが大きなメリットとなります。また、お客様だけでなく従業員に活用することで働く側の不満を明らかにし、離職を防ぐことにも役立ちます。

 
・NPSは愛着や信頼度を図れる指標

 

NPSは、これまで計測することが難しかった顧客ロイヤルティを計測するための指標です。

「企業やブランドにどの程度の愛着や信頼を有しているか」をスコア化し、顧客と企業の接点となる顧客体験を評価・改善する際の指標として用いられます。

愛着や信頼をもってくれる顧客が増えれば、口コミなどで良い評判が広がり購入につながるため、NPSで顧客ロイヤルティを測る企業が増えています 

 
NPSは企業業績や成長性と関係がある

 

NPSは企業業績や成長性との関連性が高いとされ、欧米を中心に世界の大手企業で採用されています。日本でも弊社含め、NPS調査のツール・サービスを提供する企業も登場しています。

\ NPSの解説資料はこちらから /

 

NPSの計算方法

NPSは『友人や同僚に薦める可能性はどのくらいあるか?』という推奨度(オススメ度合い)を聞く質問を通じて、顧客との関係性の強さを定量化することができます。計算方法自体は難しいものではありませんが、具体的には以下の通りすすめます。

 
推奨度(オススメ度)の分類とNPSの算出方法

 

まず、アンケートにより推奨する可能性を質問し、0から10の度合いで回答してもらい、その度合いにより回答者を下記3つのカテゴリに分類します。

 

 ・10~9点の回答者 – 「推奨者(Promoter)
 ・8~7点の回答者 – 「中立者(Passive)
 ・6~0点の回答者 – 「批判者(Detractor)

 

そして、『推奨者』と『批判者』の比率の差をスコアとして算出します

なお、NPSの計算方法について詳しく知りたい方は以下のリンクをご参照ください。

  1. NPSの計算方法
  2. NPSの計算方法を図でわかりやすく解説

 

 

事例紹介

 
     
 

<事例①:アンケート設計を見直して、課題が明確に

 
 

2022年8月に約2万人を対象とした調査を実施した企業様(BtoB事業)はもともと自社でNPS分析をされていましたが、 

・「自社で分析をしていたが分析内容が正しいか不安」 
・「自社のアンケートについて客観的にプロの立場から評価して欲しい」

というお悩みがあり、弊社にお問合せくださいました。  

 

過去のアンケートの内容(設問・データ)を拝見し、設問設計について、「一つの質問で広範囲な内容を尋ねている為、設問をもう少し細分化したほうがよい。」というアドバイスをさせて頂き、また「顧客接点で漏れのない設問設定の提案」を致しました。 

 

結果として、問題点が明確になり、NPSもより正確に把握できるようになりました。 
また、改善活動のおかげかNPSも5ポイントアップしました。 
BtoBのサービスでNPSが5ポイントアップするのは本当にすごいことです。 

 
     
 
     
  <事例②:じゃらんの評価が3.7から4.4へ>  
 

実際にお客様満足度(CS)向上の取り組みを強化した結果、見事にお客様満足度(CS)が上がったホテル メイプルイン幕張様の事例をご紹介します。

 

まず、NPS調査で「お客様の声」を全従業員で共有して、地道に改善活動を繰り返し実施。お客様満足度(CS)向上を目指した結果、NPSが上昇、クチコミの評価が上がり、さらには従業員のモチベーションアップにまでつながりました。

 

じゃらん評価:★3.7(開始時) → ★4.4(2022年4月現在)

 
     
 

NPSの意味、指標としての活用方法

 
・推奨者と批判者に分ける本当の意味

 

これまで説明してきたように、NPSは『推奨者』と『批判者』の比率の差を示す指標で、ここにNPSの意味があります。

『推奨者』には、自分も利用し、かつ他人にもおすすめする傾向があります。一方、『批判者』は、自分は利用するかわからない、さらに他人にもおすすめしません。

 
・推奨者と批判者が増えるメリットとデメリット

 

『推奨者』が増えれば、リピーター継続と口コミによる新規顧客獲得が期待でき『批判者』が増えれば、既存顧客の離反のリスクと新規顧客獲得減少の可能性が高まります

 

NPSの“ネット”の意味は“正味”を表す英語であり、「リピーター vs 離反」、「ポジティブな口コミ vs ネガティブな口コミ」のどちらが多いかをスコア化していることになるのです。

 
・NPSは企業の売上獲得の潜在能力を表す!

 

NPSのこの差の意味するところは、

     
 

・どれだけ顧客を繋ぎとめておけるか?

・どれだけ新規口コミ顧客を獲得できるか?

 
     

 

といった、その企業の持つ売上獲得の潜在能力を示す指標と言えます。

 

このことから、NPSは“将来的な企業の成長を暗示している”とも言われおり、経営指標として導入する企業も少なくありません。

 
・NPSを導入する際のよくある思いこみ

 

よくある誤解として、NPSは業績と相関性が高いということを聞きかじって、NPSがよくなった月の売上が上がらないのはなぜか?という質問があります。

ここまで本コラムを読んで、NPSの意味をご理解いただいている方なら分かると思いますが、NPSという指標は既存顧客のリピートと新規顧客の拡大に効いてきます。

 

毎日購入する必要があるような日常の消費財であれば、すぐに売上に影響が出る可能性がありますが、例えばホテルの宿泊のように年に1,2回しか利用しないサービスだと、業績への反映は時間がかかります。
 また、NPS以外の要素で業績に影響が出る要素を考慮する必要がありますので、短期間での相関関係を示すことはなかなか難しいです。

 

繰り返しますが、NPSは『推奨者』と『批判者』の比率の差を示す指標であり、そのスコアが上がると、リピーター継続と口コミによる新規顧客獲得に効果を発揮します。

このため、業績に反映されるのは多少時間がかかります。「すぐに結果が出ない」と嘆くことなく、NPSが上がれば企業の業績が必ず上がるということを信じて、改善活動を進めていただきたいと思います。

 

 

NPSとお客様満足度(CS)の違い

お客様アンケート調査を設計する際にありがちなのが、NPSとお客様満足度のどちらを採用したらよいか分からない、2つの違いがわからない、というご意見をよくいただきますので、NPSとお客様満足度の違いをお話しします。

 
・NPSは収益性や成長性と相関がある

 

NPSとお客様満足度はいずれも顧客の心理状態を尋ねている設問ですが、NPSがお客様満足度と大きく異なる点は、企業の成長性との相関が高いことにあります。

 

お客様満足度は、お客様の満足の程度を示すものですが、「満足」の示す範囲はきわめて広く、あいまいです。実際に、離反した顧客の約80%が直前の満足度調査で満足と回答していたという結果もあるため、企業の業績と相関しているとは言えません。

 

一方、NPSは「このサービスを他の人におすすめしたいですか」という質問に対して「すすめたい」という回答をスコアとして計算するので、将来の行動をスコア化することができ、企業収益と相関性がある事が、既に過去の事例から証明されています。

 

 
・NPSは顧客ロイヤルティの高いお客様を抽出できる

 

NPS調査を行う際、「他人に勧めるかどうか」という一歩ハードルの上がる質問をすることで、顧客ロイヤルティの高いお客様がわかります。

 

お客様満足度(CS)は、現時点までの評価を数値化しており、ロイヤルティの高い(リピート)客かどうかを判断することはできません。

 

一方でNPSは「他者にすすめる」という未来の行動、責任が伴う行動を点数化するため、CSでは測りきれない満足度100点以上の顧客を知り、ロイヤルティの高い顧客を抽出することができます。

 

さらにNPSについてさらに深く理解するためには、「頭の満足」(価格の安さ、納期の短さ、品質の高さなど合理的な基準や判断で満たされる満足)「心の満足」(信頼や愛着、安心など感情的な基準や判断で満たされる満足)の違いについて知る必要があります。

 

詳しく知りたい方は、ぜひ参照コラムをご覧ください。

 

 

NPS調査方法は2種類ある!

NPS調査には、大きく分けてトランザクション調査・リレーショナル調査の2種類があります。ここではそれぞれの調査手法について解説します。

 
・トランザクション調査(利用体験直後の調査)

 

トランザクション調査は、顧客が対象となる利用体験をした直後に調査を実施・評価するものです。

 

具体的には、顧客が店舗で商品を購入したり、サービスを利用したり、Webサイトから情報を取得したりなど、それぞれの体験を体験直後に評価します。

 

この調査では、顧客の体験を正確に把握することができ、提供するブランドやサービスの課題発見を可能にします。それ以外にもリピート率の違う顧客の体験を比較し、サービスの改善に生かすこともできます。年間を通して実施する場合や、必要に応じてその都度実施する場合があります。

 
・リレーショナル調査(自社ブランドに対する顧客の体験全体を評価する調査)

 

リレーショナル調査とは、自社ブランドに対する顧客の体験全体を評価するものです。

 

顧客は1年間を通して商品の購入や問い合わせ、周囲の評価との照らし合わせなど自社ブランドと直接的・間接的な接点を持っています。この体験を総体的に評価します。

 

この際、体験時の満足度も一緒に調査することで、どの体験が顧客の評価を生んだのか、言い換えればどのような体験が顧客にとって重要だったのかを分析することが可能になります。この調査は、複数のブランド体験を総体として評価するため、年に1、2回での実施が推奨されています。

 

 

・正しくNPSを測るには2種類の調査を並行して行うことが重要

 

2つのNPS調査は、それぞれ実施するタイミングや目的が異なります。特にトランザクション調査は年に1、2回の調査では把握できない顧客ロイヤルティの変化を捉えられるため、重要です。

 

リアルな顧客の声を集めることで、顧客が体験した際に生じた課題を把握でき、企業のブランド戦略やサービス展開にダイレクトに反映させることが可能になります。

 

また、体験直後に調査をするため、回答コメントでクレーム的な回答があった場合に、すぐにフォローする事で、顧客の離反を防ぐ事が可能です。

 

なお、年に1、2回の調査では、調査回答からクレーム対応を行っても、時すでに遅しで、顧客が離反してしまっている可能性があります。しかし、個別の体験を評価することができても全体を評価することはできません。それぞれのタイミングと目的を理解して、上手に使い分けることが大切です。

 

質問文の表現・設問項目の注意点

アンケート調査はお客様満足度を測るうえで有効です。満足度が低ければ顧客が求めている商品やサービスにずれが生じているため改善を考えなければなりません。

 

NPSの調査を行ううえで、不信感や面倒さを感じて回答率の低下につながることもあるので、個人情報の取扱いには注意を要します。

 

では、実際にNPS調査を行う際に、基本の推奨度の設問はどのような文言にしたらよいでしょうか。

 
・回答者が答えやすい質問の仕方

 

一般的な質問は、「この商品(サービス)をあなたのご家族や知人・友人にどのくらいおすすめしたいですか?」です。

 

この質問文を具体的な商品・サービスに合わせて、加筆修正することが重要です。購入層が限定的な商品であれば「仮に〇〇に興味がある知人友人が身近にいるとしたら」という具合に、推奨するシーンを顧客にイメージしやすいように文言を追加します。

このように微妙な表現の違いでもNPSはかなり前後しますので、同じ質問文でないNPSを比較すると、誤った解釈になってしまう可能性があります。

 

ちなみに、推奨度の設問の言い回しを少し修正するだけでNPSが変動した事例もありますので、継続的に調査している場合には注意が必要です。

 

また、基本の設問以外に併せて聞く必要がある質問項目はどのような内容があるでしょうか。とくに重要な3項目について解説します。

 
・重要設問① 商品・サービスをどこで知ったか

 

「商品・サービスをどこで知ったか」という設問の最も重要な役割は、効率的な広告戦略を練るために情報を集めることです。

 

顧客は必ず、テレビやインターネットなど、なにかしら情報媒体を経てから商品にたどり着いています。顧客が商品やサービスを知ったきっかけを把握することで、力を入れるべき効果のある広告が見えてきます。また、あまり効果のない広告からは撤退したり、規模を縮小したりすることで、無駄な広告費用を削減することもできます。

 
・重要設問② 商品・サービスを購入した理由

 

「商品・サービスを購入した理由」を聞くことで、その「強み」を知ることができます。

 

顧客が商品の購入に至るまでには、「物事を達成したい」という意識があります。例えば「夕食を作るためにスーパーで肉を買う」という行動がこれに当たります。しかしそれに加えて「どのように達成したいか」という心理が重要になってきます。

 

お店には同じような商品がずらりと並んでいます。その中から、1つの商品を選び買ったことには理由があるはずです。先ほどの肉を例にとると「月末だから特売の肉がよい」「お客様が来るから上等な肉を買おう」などです。

 

商品によっては、デザインや販売場所などで選ばれることもあります。そしてこれこそが、他社商品と比較した時の「強み」となります。これを分析することで、販促の際に特に力を入れなければならない部分が見えてきます

 
・重要設問③ 商品の機能や顧客とのタッチポイントでの満足度

 

NPSは顧客が該当の商品・サービス全体での推奨度を聞いていますが、商品・サービスの詳細については分からないため、具体的に聞き出す必要があります。

 

このため、顧客が商品・サービスを購入・利用する間でキーとなるポイントがいくつか存在します。たとえば、電化製品のような商品の場合は、製品の機能、HPの説明、店頭販売員の説明など、ホテルのようなサービスなら、予約、チェックイン、部屋、食事などといった項目です。

 

顧客のカスタマージャーニーに沿って設定するとスムーズに回答いただけます。このような項目ごとに評価いただくことで、NPSとの相関関係を把握することが可能となります。

 

その結果は、改善活動の優先順位付けに利用できるので、効率的な改善アクションにつながり、早期の業績向上が期待できます。なお、顧客満足度調査の質問項目については以下のリンクをご参照ください。

 

 

NPSを導入、評価する際のポイントを解説

NPS調査を実施し、調査で得られたスコアやコメントを把握するだけでは事業や商品の改善につながりません。

 

NPSを導入する際は、以下のポイントに気をつけて運営しましょう。

 
ポイント①競合企業のスコアを測定する

 

サービスの内容や顧客の属性によってNPSの分布が変化するため、自社のNPSのみで判断するのではなく、競合企業に対する自社のポジションを確認する必要があります。

 

相対的な位置関係を把握することによって適切な差別化が図れます。

 

 
 
・ポイント②定期的に測定する

 

NPSを継続的に測定し、その推移を時系列で捉えることで、自社のマーケティング手法の妥当性・効果量を知ることができます。

 
・ポイント③測定する顧客を特定する

 

多様な顧客が存在する中でロイヤルティを把握するには、調査対象を限定することが大切です。

 

顧客全体を測定する時には、性別、年齢別などの属性に合わせる必要がありますし、優良顧客層を対象にする場合は年齢や性別などに加えて、会員制のサービスであればその履歴、ランクなどの属性を捉えて調査する必要があります。

 
・ポイント④スコアの絶対値に一喜一憂しない

 

NPSは商材特性(業界)や回答者の属性によって傾向が異なるため、NPSを運用する際には、マイナス20だからダメだ、といった絶対的なスコアに一喜一憂しないことが大切です。

 

たとえば日本人は、0-10の11段階評価では「5」もしくは「6」を付ける割合が多く、NPSがマイナスになる傾向が強いという特徴があります。

 
・ポイント⑤フリーコメントをたくさん集める

 

NPSの本質はスコアではなく、スコアに紐づいたフリーコメントにあります。ただし、アンケートでフリーコメントを記入いただいても、その内容を眺めるだけでは何の意味もありません。

 

では、どうしたらよいかということですが、まずは数多くのコメントを収集することです。

 

そのうえで、テキストマイニングによって特徴的なコメントを引き出して、改善活動につなげることが重要です。

 

 

要注意!日本におけるNPS調査

日本でNPS調査を実施する場合、NPSの値が欧米に比べて低くなる傾向があることを把握しておく必要があります。

 

これは、選択肢の両極ではなく、中間を選ぶという日本人特有の「中間回答傾向」が影響しているからです。

 
・【注意】日本人特有の中間回答傾向

 

     
  NPS先生NPS先生のワンポイント解説
こんな研究結果にも注目じゃ!
 
 

早稲田大学大学院 経営管理研究科の木村達也教授は自身の学術報告書で、”日本人(および東アジア人)は他国の人々(とりわけ個人主義的傾向の強い米国人)とは対照的なレスポンススタイル, すなわち与えられた選択肢の両端(Extreme)でなく中間(Midpoint)を選ぶという中間回答傾向を持っている”と述べています。
NPSは0~10のスケールのうち0~6を「批判者」と分類するため、真ん中が選ばれやすい日本では、必然的に「批判者」が多くなり結果的にスコアが低くなってしまうのです。

さらに、カリフォルニア大学アーバイン校とミシガン大学の教授らが出した、評価尺度に関する回答スタイルの異文化間の違いについてのレポートをご紹介します。
日本人(n=944)、台湾人(n=1,357)、カナダ人(n=687)、アメリカ人(n=2,174)の高校生を対象に調査を実施したところ、日本と中国の学生は、北米の2つのグループよりもスケールの中間点を使用する傾向があり、米国の被験者は他の3つのグループよりも極端な値を使用する可能性が高かったことを発表しています。

 
     

 

この欧米諸国と日本におけるアンケート回答スタイルの違いは、業界別の平均やトップNPSにも顕著な差を生み出しています。

 

実際に、アメリカと日本の業界別NPSトップ企業のスコアを見てみましょう。

※mineoはMVNO(仮想移動体通信事業者)トップ、NTTドコモは大手携帯キャリアトップ
ソニー損保はダイレクト型自動車保険トップ、東京海上日動は代理店型自動車保険トップ
※NICE Satmetrix「2021 B2C NPS Benchmarks at a Glance」、NTTコムオンライン「NPS業界別ランキングトップ企業 2021」を基に弊社で作成

 

このように、日本では業界トップ企業でもNPSはマイナスになるケースがほとんどです。

 

一見、スコアがマイナスだと焦ってしまったり、経営層から悪い印象を持たれることがありますが、マイナスでも気にする必要はありません

 

NPS調査結果を改善に繋げるためには、自分の業界のNPSベンチマークを把握し、他社と比べて自社がどの位置にいるのか、的確に判断することが大切です。

 

また、定期的な調査でNPSを時系列で追っていき、過去の評価と現在の評価を比較することで、改善活動の効果を確かめることができます。

 

日本においてのNPS調査では、日本人特有の国民性を理解し、NPSの絶対値に一喜一憂することなく、相対評価や推移比較に活用することを忘れないようにしましょう。

 

 

NPSの目標設定と解説資料

NPS調査を導入した後に必ず課題となるのが目標設定です。

 

NPSは計算によって簡単に導きだされる「数値」だと思われがちですが、その中身にはお客様の実際の「コメント」が連動されているので、非常に奥深い指標と言えます。

 

その為、単なる「数字」を上げるだけの目標設定では本質的な改善の意味がなく、なかなか効果が見られないといった結果になることが多いのが現実です。

 

目標設定の前にまずNPSの基本的な考え方を理解し、その上で目標設定がただの「数値」の設定ではないことをしっかりと押さえておきましょう。

なお、目標設定について詳しく知りたい方は以下のリンクをご参照ください。

  1. NPS調査の先にある目標設定の重要性
  2. NPSの目標設定で先ずやっておくこと
  3. 目標設定は数字の上がり下がりではなくお客様の声(コメント)で設定する

 

まとめ

マーケティングにおいて、顧客体験を自社の成長戦略に活用できるNPS調査は、今後その重要性がますます高まっていくと予想されます。

 

特に顧客のリアルな体験とロイヤルティの変化を把握できるトランザクション調査は、リレーション調査と併用しながら今後のマーケティング活動に活用するべき調査手法と言えるでしょう。

 

また、NPSを運用する際は、回答者を購入商材、顧客属性などの切り口で分け、モニタリングし、『全体に影響を及ぼしているセグメントはどこなのか?』の分析を行い、改善ポイントを明らかにしていくことが重要です。

 

さらに、何よりも大切にすべきは、「顧客の声に真摯に向き合う」ことです。

 

それは顧客のフリーコメントに象徴的な内容が出てきますので、一人一人のコメントを受け流すことなく、向き合い続けるよう意識していただきたいと思います。

注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

 

M-ONEのご紹介

NPSアンケート分析とテキストマイニングの両機能を持つ国産クラウド型システム

 

アンケート分析システム、テキストマイニングそれぞれの機能に特化した国産システムはたくさんありますが、両方の機能をバランスよく持っているクラウド型システムは他にありません。

 

特に日本語のテキストマイニング用のシステムは高価なものが多いため、両機能を必要とする場合に使い勝手が良いシステムです。

 

 

お問合せ入力フォーム

NPS調査・顧客満足度(CS)調査・パネル調査などのアンケート調査に興味がある方、アンケートの回答率を上げたいご担当者様など、どうぞお気軽にお問合せください。
弊社では、「NPS認定資格者」「元大手旅行会社NPS導入責任者」「元リゾートホテルCS担当役員」など、NPSや顧客満足について豊富な経験とノウハウを持った担当者がサポートいたします。

 

PROFILE
この記事を監修した人
アバター画像

代表取締役社長 望月俊成

【Net Promoter®認定資格者】外資系医療メーカーにてプロダクトマネジメントの経験を積んだ後、日立グループでは、主に外資系自動車会社、化粧品会社のデータベースマーケティングに従事。その後、生体反応をマーケティングに活かすニューロマーケティングサービスを提供するベンチャー企業を経て、2015年にコンピュータマインド社へ入社。新規事業としてNPSを軸に、顧客の声の可視化、共有化するクラウドサービスを開発し、サービス提供開始。2016年4月に、IT×Marketingというコンセプトのもと、分社化によりマーキットワン(株)を設立。現在、NPSに特化したクラウドサービスの提供を行っている。Net Promoter®認定資格者。
アバター画像

シニアコンサルタント 北山 幹夫

【Gallup認定ストレングスコーチ】大手旅行会社にて30年勤務。BtoCマーケティングを中心に経験を積む。会員数1,000万超の顧客ロイヤルティプログラムやNPSを中心とした顧客アンケートシステム、社内オペレーションシステム等の仕組化について中心的な役割を果たす。その後、沖縄県宮古島のリゾート運営会社にて、CXMの担当役員として「顧客の声」をベースとした改善活動を進め、口コミ評価を3点台→4.5点以上への大幅アップを実現。2020年7月よりマーキットワン株式会社に参画、シニアコンサルタントとして顧客体験価値向上に向けたコンサルティングに従事。また、Gallup認定ストレングスコーチの資格を生かして、社員の強みやチームビルディングにフォーカスしたコーチとしても活動中。