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NPSを知る!お客様満足度(CS)とNPSの違いとは?

違いを明確にしよう
お客様満足度(CS)とNPSの違いとは?
#初心者向け #顧客満足度(CS) #〇〇とは?

NPSってなに?


NPSとはNet Promotor Scoreの頭文字をとった言葉で、顧客ロイヤルティを測る指標になります。この言葉はお客様満足度と並ぶ指標としてよく取り上げられますが、NPSがお客様満足度と大きく異なるのは、「業績との相関性」にあります。

お客様満足度はかなり曖昧な言葉で、例え「満足」との評価が下されても、それがリピーターに繋がることに直結するとは言い切れません。業績向上を図るには、お客様満足度に代わる新たな指標が必要になり、その具体的な指標がNPSになります。

 

ターゲットとなる層はどういったページに多くアクセスしているか、といったことなどを分析すればお客様のニーズは見えてきます。

 

 

NPS導入のメリットとデメリット

NPSを知ることによるメリットとしては、回答が数値で示されるため測定が簡単であるということがあります。また出てきた結果もシンプルで、誰が見ても理解できます。自社の立ち位置が分かりやすいというメリットもあります。統一した指標のため、競合他社との比較が単純にできるからです。また経営に活かしやすいというメリットもあります。業績と大きな相関関係があるため、経営分析に活用できます。

 

一方、デメリットとしては質問の設定が難しいということがあります。質問の仕方次第で回答が変動するため、調査の目的などを具体的に設定した後、質問内容を細かく考える必要があります。

 

NPSには科学的な根拠が無いという意見もあります。回答者は感覚での回答となるため個人差が大きく、質問によっては評価が分かりにくくなります。

 

また「平均」や「中間」を好むという日本人には不向きであるというデメリットもあります。評価が中間的な5に偏りがちとなるからです。

 

 

NPSの調査方法・設問設計

NPSの調査票の基本構造は至ってシンプルです。

 

質問は7問以内に収めることや、3~5分以内で回答できるようにすることが大事です。そして、理由を聞くため記述式の質問も入れるようにします。

 

例えば、

 

 

 

Q1:あなたはこの商品を友人や知人にすすめる可能性はどの程度ありますか?

 

Q2:上記のように評価された理由をご自由にお書きください。

 

Q3:この会社に対する各要素の満足度をお聞かせください。(ブランドイメージ、商品の魅力、コストパフォーマンス等)

 

Q4:この会社に改善してほしいことがあれば一つお書きください。

 

 

 

 

 

というような調査票になります。

 

ここで、Q1とQ3は0~10の11段階の選択式の質問です。シンプルな質問の中に重要な要素を凝縮できるかが大事なポイントとなります。

 

NPSの計算方法

NPSの調査票では、上記のように0~10までの11段階で回答してもらう選択式の設問を用意します。

 

回答の中で0~6点を付けた回答者は批判者=不満を持つ顧客とします。7~8点を付けた回答者を中立者=満足はしていないがあまり熱狂的ではない顧客、9~10点を付けた回答者を推奨者=ロイヤルティが高い熱心な顧客と分類します。

 

実際のNPSの計算は、回答者全体の占める推奨者の割合-回答者全体に占める批判者の割合=NPSということになります。即ち、高評価を付けた方の割合から、低評価を付けた方の割合を引いた値がNPSになります。

 

例えば300人の回答者のうち、120人が『推奨者』(40%)、90人が『批判者(30%)だった場合、その比率の差は、40-30=10であるため、NPSは「10」ということになります。
NPSでは、推奨者が批判者よりも多ければNPSスコアはプラスになり、逆に批判者が推奨者よりも多ければマイナスになります。

 

NPSとお客様満足度の違いとは?

お客様満足度は、顧客の声を聞く指標として多くの企業が使ってきた概念で、NPSはこれまで計測が難しかった企業や商品に対するイメージを数値化したものです。

 

その大きな違いは、収益性と連動するか否かという点です。

 

NPSでは、「この商品を知人や友人にすすめたいと思いますか?」という質問の回答からスコアを算出します。「他人に薦める」という未来の行動を数値化でき、中長期的な企業収益と相関性があることが、既に過去の事例から証明されています。

これに対してお客様満足度の調査では、満足度を点数化して評価はしますが、あくまでも現時点での評価を聞いているに過ぎません。多くの方が「商品に満足している」と回答したとしても、今後の売上に繋がらないことが多々あります。

 

高い評価を付けたユーザーも、他によい商品やサービスがあれば、そちらに移ってしまう可能性があるということです。お客様満足度がそのままリピート率や商品への高いロイヤルティを示すとは限らないということです。

 

       
  NPS先生 NPS先生のワンポイント解説
NPSはなぜ将来の収益と連動するのか
 

 

「NPSと将来の収益性には相関がある」と解説されているが、これはなぜなのか?理由の1つは、「究極の質問」とされる質問の仕方にあるんじゃ。

NPS調査では、「どれくらい友人や知人に薦めたいですか?」という質問をするが、「他人に薦める」という行為は、単純に満足度を答えるよりも「責任」が伴うじゃろ?ここがNPSの肝なんじゃ。

NPS調査は「他人に薦める」というハードルを超えた、ロイヤルティが高いお客様をあぶり出すことができるんじゃ。

ロイヤルティが高いお客様は、他人に薦めてくれる(新規顧客を創出してくれる)可能性も、リピーターになる可能性も高い。

NPSに取り組んで改善を続ける→リピーター・新規顧客も増える→企業の収益が上がる、というワケじゃ。もちろん、改善活動をしっかりと行うことが前提じゃぞ!

 

 

 

 

 

 

頭の満足・心の満足ってなに?

NPSをさらに深く理解するには、「頭の満足」と「心の満足」の違いについて知る必要があります。

頭の満足」とは価格の安さ、納期の短さ、品質の高さなど合理的な基準や判断で満たされる満足のことです。逆に「心の満足」とは信頼や愛着、安心など感情的な基準や判断で満たされる満足を指します。

 

この考え方(概念)は2005年にジョン・H・フレミングが提唱したもので、以下のような調査結果から心で満足している方が月の支払い額が大きく、頭で満足している顧客に比べて、企業の利益に貢献していて、かつリピート率も高いという結果を表しています。

 

     
 

 調査の概要と結果

大手スーパーマーケットチェーンにて、感情的なつながりの重要性を確かめる為、顧客の訪問頻度と訪問中に費やした金額の両方で検証を行った。

調査の結果、「頭で満足」している顧客の月の平均利用金額が$144だったのに対し、「心で満足」している顧客の月の平均利用金額は$210であり、$60の差があることがわかった。

また月の来店頻度も4.1回に対し、5.4回であった。

※参考URL:https://news.gallup.com/businessjournal/1012/customer-satisfaction-doesnt-count.aspx

 
     

 

 

そして、この「心で満足」しているかどうかがわかるのがNPSという指標になります。

まとめ

NPSはお客様満足度と並び注目を浴びている指標です。事業の成長率とは高い相関関係があるため、業績向上を測る新たな指標と考えることができます。

 

NPS値はシンプルで、競合他社との比較も容易にできます。一方、質問の仕方が難しいとか、平均を好む日本人には不向きであるという意見もあります。

 

11段階の選択式の質問と、それに関する記述式の質問を用意します。そして高評価を付けた方の人数の割合から、低評価を付けた方の人数の割合を引いた値がNPSになります。

 

アンケートを行うには時間もコストもかかります。収益性と大きな連動性があるNPSの値が出るようなアンケートを実施し、今後の企業成長に繋げましょう。

 

 

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PROFILE
この記事を監修した人
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代表取締役社長 望月俊成

【Net Promoter®認定資格者】外資系医療メーカーにてプロダクトマネジメントの経験を積んだ後、日立グループでは、主に外資系自動車会社、化粧品会社のデータベースマーケティングに従事。その後、生体反応をマーケティングに活かすニューロマーケティングサービスを提供するベンチャー企業を経て、2015年にコンピュータマインド社へ入社。新規事業としてNPSを軸に、顧客の声の可視化、共有化するクラウドサービスを開発し、サービス提供開始。2016年4月に、IT×Marketingというコンセプトのもと、分社化によりマーキットワン(株)を設立。現在、NPSに特化したクラウドサービスの提供を行っている。Net Promoter®認定資格者。