BtoBの回答率が悪い原因にどんなことが考えられるのか
BtoBの回答率はどれぐらいが妥当?
日本におけるBtoB(企業間取引)のアンケート回答率の平均は、一般的には20%から30%の範囲と言われています。
しかし様々な企業様のアンケートに携わらせて頂いた経験からすると、10%がベースだと考えています。
弊社のお客様でも回答率はまちまちで、数あるなかからざっくりとまとめてみても
製造業:23.4%
保険業:7.56%
コンサルティング業:75.7%
情報・通信業①:13.1%
情報・通信業②:0.71%
電子機器製造業:1.6%
Webサービス業:7.2%
のようになります。知名度が大きく影響する場合も多いです。
業種やアンケートを聞く対象、回答方法によって回答率は異なる為、目標として20%の回答率を目指して頂くと良いですが、一度アンケートを実施して自社の回答率を知り、その上で回答率の改善に励んでいただくのが最も良い方法と言えます。
回答率はお客様との関係性を示すひとつの指標にもなりますが、絶対的な関係性を表すものではありません。しかし回答率が高くなってくるとその基準を維持しようという動きが出てきて、最終的には回答率をあげる、保つことがしばしば目的になる場合もあります。
改善をした結果、関係性が強くなり回答率が上がるというのが本質ですが、目的が変わると回答率の為に
・アンケートの対象を意図的に選び回答率をコントロールしよう
・クレームを書かれそうだからアンケートを渡すのはやめよう
など様々な抜け道がでてきます。
いい回答をくれそうな人には聞く、悪く答える人には聞かない。こうなるとアンケートは機能しないので注意が必要です。
回答率が悪いのは何が原因?
まず前提として、アンケートはお客様とお話をした直後に答えて貰うことができれば一番良いのですが、BtoBのアンケートではなかなか難しいのが現実です。そのため、回答していただける方がどのタイミングであれば答えやすいかを想定することが重要になります。
例えばグローバルにサービスを展開されている企業の場合、時差がある為、回答者が回答しやすいタイミングが異なります。
運用上、アンケートは一斉送信することが多いですが、可能ならば回答者にあわせてアンケートをお送りするほうが回答率は上がります。
業種・業態・商材によってお客様との関わり方は異なりますので、それに適した方法と回答者の動きなどを考えてアンケート運用を設計することをお勧めしています。
回答率は回答者との関係性に大きく左右されます。BtoCの場合は自分でサービスに加入したり商品を購入するので、一定の関係性が保てますが、BtoBの場合、
・自身が導入・購入に携わっていない
・自分が導入・購入を決定したわけではない
・昔から導入されてるので意識したことがない
・担当者からするとそんなに重要じゃない(会社との接触頻度も関係ある)
など関係性が希薄な場合があり、回答率に影響します。
この場合、「接触頻度を増やす」という取り組みや「インセンティブの提供」を検討いただくと良いかもしれません。
アンケートは大小様々ありますが、分析をすることが前提のアンケートは統計的な結果を得たい場合がほとんどです。
しかし回答が100件を下回る場合は統計的な結果は出にくく、またデモグラや回答者を区切る設問などで傾向をみようとすると、更に集団(標本)が小さくなってしまうため意味を成しません。
統計的に回答を見る場合はどんなに少なくとも100件以上の回答を集めることが必要です。まず聞く対象がそもそも少ない、アンケートをしても100以上集まることがない場合は話を聞かせて頂ける企業様に直接インタビューすることを強くお勧めしています。
忘れがちですが、回答率が少ない場合もアンケートのコメントが最も重要になってきます。
例えばA企業の推奨度は4点だったとわかっても4点の評価がどういった内容かわからにので手の打ちようがありませんよね?
またコメントが貰えたとして、「対応がよくなかったから」とこたえられても改善のしようがありませんね?
回答は具体的にどの良くなかったのかを聞かなければなりません。もしかしたら、お客様は
・対応の頻度を気にしている
・対応の質を気にしている
・対応の迅速性を気にしている
・対応の迅速性を気にしている
かもしれません。
そのためには、回答者がコメントしやすいように設問設計を行い、回答を引き出す努力をしなければなりません。
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