NPSを知る!お客様満足度(CS)とNPSの違いとは?
NPSってなに?
NPS導入のメリットとデメリット
NPSを知ることによるメリットとしては、回答が数値で示されるため測定が簡単であるということがあります。また出てきた結果もシンプルで、誰が見ても理解できます。自社の立ち位置が分かりやすいというメリットもあります。統一した指標のため、競合他社との比較が単純にできるからです。また経営に活かしやすいというメリットもあります。業績と大きな相関関係があるため、経営分析に活用できます。
一方、デメリットとしては質問の設定が難しいということがあります。質問の仕方次第で回答が変動するため、調査の目的などを具体的に設定した後、質問内容を細かく考える必要があります。
NPSには科学的な根拠が無いという意見もあります。回答者は感覚での回答となるため個人差が大きく、質問によっては評価が分かりにくくなります。
また「平均」や「中間」を好むという日本人には不向きであるというデメリットもあります。評価が中間的な5に偏りがちとなるからです。
NPSの調査方法・設問設計
NPSの調査票の基本構造は至ってシンプルです。
質問は7問以内に収めることや、3~5分以内で回答できるようにすることが大事です。そして、理由を聞くため記述式の質問も入れるようにします。
例えば、
|
|
Q1:あなたはこの商品を友人や知人にすすめる可能性はどの程度ありますか?
Q2:上記のように評価された理由をご自由にお書きください。
Q3:この会社に対する各要素の満足度をお聞かせください。(ブランドイメージ、商品の魅力、コストパフォーマンス等)
Q4:この会社に改善してほしいことがあれば一つお書きください。 |
|
|
というような調査票になります。
ここで、Q1とQ3は0~10の11段階の選択式の質問です。シンプルな質問の中に重要な要素を凝縮できるかが大事なポイントとなります。
NPSの計算方法
NPSの調査票では、上記のように0~10までの11段階で回答してもらう選択式の設問を用意します。
回答の中で0~6点を付けた回答者は批判者=不満を持つ顧客とします。7~8点を付けた回答者を中立者=満足はしていないがあまり熱狂的ではない顧客、9~10点を付けた回答者を推奨者=ロイヤルティが高い熱心な顧客と分類します。
実際のNPSの計算は、回答者全体の占める推奨者の割合-回答者全体に占める批判者の割合=NPSということになります。即ち、高評価を付けた方の割合から、低評価を付けた方の割合を引いた値がNPSになります。
例えば300人の回答者のうち、120人が『推奨者』(40%)、90人が『批判者(30%)だった場合、その比率の差は、40-30=10であるため、NPSは「10」ということになります。
NPSでは、推奨者が批判者よりも多ければNPSスコアはプラスになり、逆に批判者が推奨者よりも多ければマイナスになります。
NPSとお客様満足度の違いとは?
お客様満足度は、顧客の声を聞く指標として多くの企業が使ってきた概念で、NPSはこれまで計測が難しかった企業や商品に対するイメージを数値化したものです。
その大きな違いは、収益性と連動するか否かという点です。
NPSでは、「この商品を知人や友人にすすめたいと思いますか?」という質問の回答からスコアを算出します。「他人に薦める」という未来の行動を数値化でき、中長期的な企業収益と相関性があることが、既に過去の事例から証明されています。
これに対してお客様満足度の調査では、満足度を点数化して評価はしますが、あくまでも現時点での評価を聞いているに過ぎません。多くの方が「商品に満足している」と回答したとしても、今後の売上に繋がらないことが多々あります。
高い評価を付けたユーザーも、他によい商品やサービスがあれば、そちらに移ってしまう可能性があるということです。お客様満足度がそのままリピート率や商品への高いロイヤルティを示すとは限らないということです。
NPS先生のワンポイント解説 NPSはなぜ将来の収益と連動するのか |
|||
|
「NPSと将来の収益性には相関がある」と解説されているが、これはなぜなのか?理由の1つは、「究極の質問」とされる質問の仕方にあるんじゃ。 NPS調査では、「どれくらい友人や知人に薦めたいですか?」という質問をするが、「他人に薦める」という行為は、単純に満足度を答えるよりも「責任」が伴うじゃろ?ここがNPSの肝なんじゃ。 NPS調査は「他人に薦める」というハードルを超えた、ロイヤルティが高いお客様をあぶり出すことができるんじゃ。 ロイヤルティが高いお客様は、他人に薦めてくれる(新規顧客を創出してくれる)可能性も、リピーターになる可能性も高い。 NPSに取り組んで改善を続ける→リピーター・新規顧客も増える→企業の収益が上がる、というワケじゃ。もちろん、改善活動をしっかりと行うことが前提じゃぞ! |
|
|
|
|
|
頭の満足・心の満足ってなに?
NPSをさらに深く理解するには、「頭の満足」と「心の満足」の違いについて知る必要があります。
「頭の満足」とは価格の安さ、納期の短さ、品質の高さなど合理的な基準や判断で満たされる満足のことです。逆に「心の満足」とは信頼や愛着、安心など感情的な基準や判断で満たされる満足を指します。
この考え方(概念)は2005年にジョン・H・フレミングが提唱したもので、以下のような調査結果から心で満足している方が月の支払い額が大きく、頭で満足している顧客に比べて、企業の利益に貢献していて、かつリピート率も高いという結果を表しています。
調査の概要と結果 大手スーパーマーケットチェーンにて、感情的なつながりの重要性を確かめる為、顧客の訪問頻度と訪問中に費やした金額の両方で検証を行った。 調査の結果、「頭で満足」している顧客の月の平均利用金額が$144だったのに対し、「心で満足」している顧客の月の平均利用金額は$210であり、$60の差があることがわかった。 また月の来店頻度も4.1回に対し、5.4回であった。 ※参考URL:https://news.gallup.com/businessjournal/1012/customer-satisfaction-doesnt-count.aspx |
||
そして、この「心で満足」しているかどうかがわかるのがNPSという指標になります。
まとめ
NPSツールを検討中なら
NPSアンケート分析とテキストマイニングの両機能を持つ国産クラウド型システム
アンケート分析システム、テキストマイニングそれぞれの機能に特化した国産システムはたくさんありますが、両方の機能をバランスよく持っているクラウド型システムは他にありません。特に日本語のテキストマイニング用のシステムは高価なものが多いため、両機能を必要とする場合に使い勝手が良いシステムです。
【資料ダウンロードはこちらから】
お問合せ入力フォーム
NPS調査・顧客満足度(CS)調査・パネル調査などのアンケート調査に興味がある方、アンケートの回答率を上げたいご担当者様など、どうぞお気軽にお問合せください。
弊社では、「NPS認定資格者」「元大手旅行会社NPS導入責任者」「元リゾートホテルCS担当役員」など、NPSや顧客満足について豊富な経験とノウハウを持った担当者がサポートいたします。
記事がおもしろかったらいいね!してね