事例01:メイプルイン幕張

お客様の声を全従業員で共有し、改善を実施する事で、顧客ロイヤリティ向上を目指した結果、従業員のモチベーションアップに繋がる

JR幕張本郷駅より徒歩2分、海浜幕張駅よりバスで約10分と、アクセス抜群!

メイプルイン幕張

レジャースポットとして、多くの観光客で賑わう幕張ベイエリア。 国際的なビジネスタウンとしても日々進化を続けるこのエリアで、今年開業25周年を迎えたのがホテルメイプルイン幕張です。宿泊だけでなくレストラン・企業研修など様々なサービスを提供しているこちらのホテルは、現在『お客様の声を元にした業務改善の取り組み』に注力しています。そして、そのメイプルイン幕張が『お客様の声』を収集・見える化するのに選択したのが、マーキットワンのサービス(MARKITGAUGE)です。今回は取締役である松田氏に、今『お客様の声』をどのように収集・活用しているのか、どのような効果があるのか、そして今後の展開などについて聞きました。

NPSを導入した理由。

望月:
まずNPSを知って「やろう」と思ったきっかけを教えてください。
松田:
友人から「すごくシンプルだけど核心を突くものがあるよ。アメリカでは主流になりつつあるから御社でもやってみたら?」と聞いていて、その後に望月さんがNPSの話を持ってきてくれて「やってみたい」と思ったのがきっかけですね。
望月:
その当時、 松田さんの中で、どのような課題があったのですか?
松田:
課題としては、お客様満足度調査みたいものはあるけど高くてできない。自社でもやるけど回答がばらけてしまう。どこから手をつけてよいのか分からなくなってしまった。また『じゃあこれからお客様の声中心にやっていこうよ』って言った時に、満足度の指標というか、マイルストーン(ここまで良くなったね、ここが良くなったね)っていうのをやっていきたいと思っていて、でもその具体的な指標がなかったですね。 後は、お客様の声は、その当時もとっていましたが、統一的な取り方でなく、レストランはレストランでやっていた時期があったり、フロントはフロントでどうやっていこうかという時期でした。ですので、課題としては「一本化したい」というのと、「なるべくお金をかけないで、簡単でシンプルで長続きする方法でやりたい」という事でした。
望月:
当時はそういった満足度調査を定期的にやられていたのですか?
松田:
いえ、ワンオフですね。ちょっとの間やってみて、ツールが使い切れなかったり、そんなことを繰り返してきましたね。恥ずかしい話ですが、当時は社内でも「そんなにお客様の声を聞いて、反映できなかったらどうするの?」という声も結構あって、「声なんか聞く意味ないよ」みたいのもありました。そういう時も経て、それでも『お客様の声を中心でやってこうよ』となってきました。なかなか長続きしてこなかったのです。あと、回答って、色んな事言われるじゃないですか。普通のアンケート調査ってバラけるんですね。ですので「いちいちそんなバラけた声に 引っ張られてもいいのか?」というのが社内でもありました。 その点、NPSは聞き方が1本で、お客さんが一番初めに心の中で思ったことを言うじゃないですか、「なぜ薦めたのか」「なぜだめだったのか」。それが積み重なってくれば、それはすごく意味のあるもので、今までは、『それが理由で』というところに紐ついでなかったですよね。気が付きやすい所をお客さんが書いていたのでしょうね。そこが大きな違いですね。
望月:
より核心的なコメントがとれているということですか?
松田:
そうですね。「何故選んだのか」「何故選ばなかったのか」に直接結びついているので、すごくやりやすいです。今までは「食事の事に関してはこれ」「部屋についてはこれ」、でもその中で何が一番大切かっていうのが分からないじゃないですか。本当は「食事に言いたいことはこれだけど、一番引っかかっているのはこれだよ」っていうのがあるのかもしれないのに、それが見えてこなかった。だから社内では「お客様は言いたいこと言うよね」という雰囲気になっていたんですね。
望月:
従来の満足度調査のやり方だけでは、中々打ち手には繋がりにくかったということでしょうか?
松田:
そうですね。お客様に対してサービスを高めていこうよって時に、「自分達って本当はどうなの?」「先月や去年に比べてどうなの?」というのがなかったですね。「やってるよ」という人もいるし、「できてないよ」という人もいて、その軸になるものがなかったので、それが出来るようになってきましたね。

集めた『お客様の声』は部署横断の会議で共有し、改善アクションに繋げる。

望月:
現在、『お客様の声』をどのように集めていますか?具体的なオペレーション方法を教えて下さい。
松田:
基本的にはチェックインの際に、鍵と一緒にNPSのアンケートをお渡ししています。あとは、自社サイトや一部OTA(Online Travel Agent【じゃらん・楽天など】)などで、こちらからの連絡を承認してくれた方にはメールで送っています。ただ、数は少ないですね。あと、ダブってしまいますが、一応フロントでのお渡しもしています。それと、館内にボックスがあって、書きたいときに書けるようになっています。そこで引っかかってくるのはレストラン利用や研修室利用だけのお客様です。
望月:
BtoBのお客様は如何ですか?
松田:
法人をしっかりやるようになったのは最近です。法人のお客様へもメールでお送りしています。ここ2・3ヶ月はちゃんと返ってきていて、大事な意見や営業マンの名前なんかもでたりしています。そこも中々ずっと進まなかったのですが、最近になって自分達で話し合って、腹に落ちたのでやる事になりました。
望月:
ではアンケートを送って、メールからの回答はそのまま、紙での回答はデータ化して、MARKITGAUGEに取り込んでいるのですね。
松田:
そうです。紙の回答は、まとめてフロントの担当者がエクセルに入力して、NPSの担当者がMARKITGAUGEにアップロードしています。
望月:
それはどのくらいの頻度でやられていますか?
松田:
アップロードは月に1回です。
望月:
そして、それがAPIでKintoneに連携されているわけですね。  ※Kintone:サイボウズ社が提供するグループウェア
松田:
そうです。Kintoneの中のNPS集計というところに、どんどんデータが入ってくるようになっています。入ってきたデータで、毎月まとめてレポート・グラフを作っています。月次レポートというページもあって、NPSだけじゃなく、OTAサイトの口コミやお客様からダイレクトに言われた事などもここに集約しています。集約だけでなく、レポートは必ず同じ場所に入れて全員見ることになっています。それ以外にはOTAやお客様の声(直接)とMARKITGAUGEからあがってきている声の集計を一つにして、『NPS会議』という会議に参加するメンバー(各部門の若手と部門のリーダー)全員に配り、集まって会議をしています。
望月:
部署横断的な会議ですね。
松田:
そうです。クロスファンクショナルなグループで『正の字』を書いていきます。「これ大事なんじゃないの?」とか、それについてのコメントなどをみんなが書いて、「これは重要だ」とか「これは大したことない」とか。担当者として、なにか言いたいことがあれば、備考に書いておきます。「お客様はこう言っているけど勘違いしていますよ」とか。それを月1の会議で正の字の多い順に話をしています。正の字が付かないところは読み合わせだけにして、「今回これは大切じゃないからいいね」と流していきます。
望月:
全てのアンケートや口コミの一覧に目を通されているんですか?
松田:
全て一覧にして、全員一度、目を通しています。
望月:
全て目を通した上で改善内容を選んでいる。
松田:
そうですね。優先順位の高いモノから話をして、それぞれの担当者の見解がコメントについて出てくる感じです。それを話し合う過程で、ホテルTODOという改善アプリを利用しています。例えば、 1 お客様から「浴室が暗いよ」というコメントがNPSであがる。 2 『浴室電気の交換』という議案を立て、この議案に対して正の字が付く。 ③ 電球を替えるという話になり、だれが担当で、責任者がこの人で、いつまでにやるかを決める。 3 実際に交換とチェックを行う。ステータスが完了となる。 4 備考があれば記入をする。(今後電球が古くなった場合、故障した場合は清掃業者さんに交換して貰う) これを会議に出ているみんなでシェアしています。議案に対して、何月何日までに誰が責任者で何をやるっていうのを決めて、終わればそこは完了という事でやっている。なお、今後は完了した議案を違うアプリで一か所にまとめようという話になっていますが、実はまだあまり進んでいません。それが『ホテル改善記録』というものなのですが、そこにまとまっていく仕組みになっています。また、今ちょうどやっているのが、改善したことに対してのお知らせや、フロントの個人紹介、季節について、などをまとめた冊子を作っているところです。こちらは半年に1回部屋に設置していく予定です。
望月:
WEB(ホームページ)での発信などもされていますか?
松田:
いえ、ホームページはまだやっていないので、今後はやっていきたいですね。ただ、取組みについてはKINTONEのサイトに掲載され(参考URL:https://kintoneaward2017.cybozuconf.com/detail/016.html)、参加賞を頂きました。参加賞だけでもみんな喜んでいましたね。 また、新たな取り組みとしては、客室にhandyというモバイル端末を入れました。handyで客室のお客様にプッシュ通知を送ることが出来て、クリックするとMARKITGAUGEのアンケートサイトに行くようになっています。そこであがってきた内容で、お客様が帰る前に対応できるものは対応しようという事で、今月からやろうと思っています。
望月:
チェックアウトする前に対応できるというのは素晴らしいですね。クレームが入った場合など個別でのフォローなどはされていますか?
松田:
法人に対してはやっています。一般のお客様に対してもやるようには言っています。大きく変わったものに関しては、直接電話してお礼を差し上げる事になっております。
望月:
ホテル側から個人のお客様に連絡するというのはなかなか難しい所もありますよね。メールなら問題ないかもしれませんが。法人の方は あまり問題なさそうですね。
松田:
そうですね。でも先日常連のお客様から「レストランのジュースの置き方が良くない」というご指摘を頂いて、レストランとフロントから「この間NPSでご指摘頂いたのでこういう風に変わりました。」という事をお伝えしました。
望月:
直接ですか?
松田:
そうです。やはりとても喜んでらっしゃいました。
望月:
それは素晴らしいですね。ところで、MARKITGAUGEのダッシュボード機能の活用方法は如何ですか?
松田:
ダッシュボードについては、私と各部門長が見ています。NPSスコアの推移や、お客様がどの様なコメントをされているのか、 リアルタイムで確認出来、また、推奨者/中立者/批判者別や、性別、年代別など絞り込んだ上でコメントを見る事が出来るので、 効率よく気付きが得られますね。テキストマイニング機能も気づきを得るために便利な機能です。

NPS導入の効果

望月:
実際に約2年運用されて、具体的に効果が出ていれば教えてもらえますか頂けますか?
松田:
まず、2016年の1月からちゃんとしたデータが入っていて、2016年のNPSがNPS11でした。2017年は10月末までの段階でNPS22になっています。
望月:
あがっていますね。
松田:
改善してきたものがここにきて数字に表れているということだと思います。
望月:
最初の頃はNPS-20とかありましたよね?
松田:
ありましたね。まだ始めたばかりの2015年の10月頃です。でも、それから少しずつ改善してきたので、今ここまで上がってきて いるのではないかなと思います。
望月:
素晴らしいですね。
松田:
あと、じゃらんの評価が2016年通年で★3.7ですが。それが今★4.02に上がってきました。これは実際に予約するときにお客様が目にして決めるものなので、★3.7っていうとどちらかと言えばありきたりな数字ですが、★4を越してくると、これは大きいですよね。「あれ?いいんじゃないのか?」って。
望月:
確かに★4がホテル選びの1つの基準ですね。
松田:
基準ですね。楽天はまだ★3.6~3.7ですが。ヤフートラベルは今★3から★4に上がってきています。特にじゃらんは数字としてしっかり出てきているので、これは成果ですね。そしてそれを2次的な成果としてみんなが気付いていますね。「自分たちがやったから上がったんだ」ってことをみんな嬉しそうに話しています。
望月:
リピート率なども上がりましか?
松田:
いえ、今まだそれは分かっていないので、今後出していきたいですね。
望月:
定性的な所ではなにか効果がありましたか?
松田:
お客様に姿勢を褒められたりというのはありますね。特に法人の方から「しっかりやろうとされていますね」とか。「NPSやっているんですね」なんて声もあります。
望月:
先程の話からも、従業員の方が自主的に「自分たちで変えよう」というところが見えますね。
松田:
それは大きいですよね。今朝もフロントの担当者と話をしましたが、「自分たちがやったことに対してお客さんが何か言ってくれると嬉しいです。」と言っていました。中には名前を出されている人もいて、すごく励みになったり、目に見えるようになって嬉しいと言っています。もちろん会社の中で上司に「頑張ってるね」と言われるのも嬉しいけど、『直接お客さんが文字で残してくれるとより嬉しいし、しかもそれがみんなに読まれているというのも嬉しい』という社内的な効果は出てきていますね。
望月:
松田さんから見て、従業員の方が変わってきたなって思うところはありますか?
松田:
自分事になっていますよね。モチベーションがあがってきているんだと思います。
望月:
やらされているのではなく?
松田:
そうです。自分がそれに責任があるんだなっていうのを数字を通して気づいていますよね。少しずつやることがNPSのスコアとして表れて、今まで「ほわ~」として見えていなかったモノが、名前を書かれたり、数字あがると、みんな自分事として捉えてきますよね。 後は、会社の方向性として、『NPSスコアっていうのを毎月みんなで追っていくんだ』『お客様満足度を大切にしてこう』というのがぶれていないことがみんなに伝わっていると思います。 毎年、年の初めには「今年はスコアいくつまで行きましょう」という話をしているのですが、今年の目標はゆうに越していますね。目標はNPS15だったかな。初めの一年目の目標はNPS0だったんですよ。2015年の10月・11月を見ていると「とりあえずNPS 0に持ってこうよ!」って言ったら、去年がNPS11ぐらいまで上がったので、「じゃあ今年はNPS15まで行こう」と話をしていたけど、今、NPS 22まで上がっているのでその面では良かったですね。
望月:
最近はコンスタントにNPS20前後で推移しているので、数字を見ていて、やはり効果が出ているんだなと思います。
松田:
おかげさまで。でも逆にスコアが良すぎて「ほんとに?」「どこかに捨てているんじゃないの?」って思いますけどね(笑)。疑いたくなるくらい良いですよね。後は口コミのお客様の声もアンケートとは関係のない所で上がってきているので、ちゃんと連動しているんだなっていうのが分かってきました。

今後に向けて

望月:
今後『これがやりたい』というものを教えて下さい。
松田:
3つあります。まず1つ目は、先程のhandyの話のように、お客様が帰る前に驚かせてあげたいですね。リアルタイムでお客様の声に対応していきたい。あとはもっとなるべく手書きじゃなくても簡単にお客様の声をとれるようにしたいですね。2つ目は、声を頂いたお客様にフィードバックしていきたいです。特に法人のお客様には翌年帰ってくる前に必ずアクションをしたいですね。顧客情報が残るようになっているので、商談の際に「昨年こんな声を頂いたのですが、これに関してはこうゆうアクションをとったので、是非今年ももう一度戻ってきてください」っていう事を、必ずやっていこうという話になっています。あと個人のお客様にはお部屋にお礼のレターを入れるというのをやりたいですね。 3つ目は、eNPSをやりたいです。(Employee Net Promoter Score)来年は絶対やろうと思います。以前NPSではないのですが、社内満足度調査をやろうとしたのですが、うちのコンサルタントに「まだちょっと早いんじゃないですか?」と止められたんです。MARKITGAUGEを利用して、回答者が誰かわからないようにしてやりたいと考えています。
望月:
eNPSは誰が回答したかわからないという前提条件で必ずやった方がいいです。そうしないと本音が出てきません。
松田:
そうですよね。ですので、社内の複数台の共有PCで、いつやってるかわからない状態にして、そこから回答できるようにしたいですね。    従業員満足度を上げる事は、最終的に顧客満足度の向上に繋がる事だと思いますので、そこには是非チャレンジしていきたいですね。

会社情報

メイプルイン幕張

http://mapleinn.co.jp/

〒262-0033 千葉県千葉市花見川区幕張本郷1-12-1
TEL.043-275-8111 FAX.043-275-8113