2019/08/05

NPS(ネットプロモータースコア)とは?種類やそれぞれの重要性を解説

 

近年、企業活動を適切に行うために広く利用されるようになってきたNPS(ネットプロモータースコア)の概要と調査方法、その重要性について解説していきます。

 

NPSとは?


NPSは、顧客ロイヤルティを計測するための指標です。「企業やブランドにどの程度の愛着や信頼を有しているか」を数値化し、顧客と企業の接点となる顧客体験を評価・改善する際の指標として用いられます。また、NPSは企業業績や成長性との関連性が高いとされ、欧米を中心に世界の大手企業で採用されています。日本でも弊社含め、NPS調査のツール・サービスを提供する企業も登場しています。

 

「顧客満足度(CS)」との違い


NPSは、CSとどこが違うのでしょうか。NPSが顧客満足度と異なる点は、企業の成長性との相関が高いことにあります。顧客満足度は、お客様の満足の程度を示すものですが、「満足」の示す範囲はきわめて広く、あいまいです。実際に、離反した顧客の約80%が直前の満足度調査で満足と回答していたという結果もあるため、企業の業績と相関しているとは言えません。一方、NPSの調査では「このサービスを他の人におすすめしたいですか」という質問に対して「すすめたい」という回答をスコアとして計算するので、将来の行動を数値化することができ、企業収益と相関性がある事が、既に過去の事例から証明されています。

 

NPSの導入の際の注意点


NPS調査を実施し、調査で得られたスコアやコメントを把握するだけでは事業や商品の改善につながりません。NPSを導入する際は、以下のポイントに気をつけて運営することが推奨されています。

①競合企業のスコアを測定する

サービスの内容や顧客の属性によってNPSの分布が変化するため、自社のNPSのみで判断するのではなく、競合企業に対する自社のポジションを確認する必要があります。相対的な位置関係を把握することによって適切な差別化が図れます。

②定期的に測定する

NPSを継続的に測定し、その推移を時系列で捉えることで、自社のマーケティング手法の妥当性・効果量を知ることができます。

③測定する顧客を特定する

多様な顧客が存在する中でロイヤルティを把握するには、調査対象を限定することが大切です。顧客全体を測定する時には、性別、年齢別などの属性に合わせる必要がありますし、優良顧客層を対象にする場合は年齢や性別などに加えて、会員制のサービスであればその履歴、ランクなどの属性を捉えて調査する必要があります。

 

NPS調査には2種類ある!それぞれの特徴を解説


NPS調査には、大きく分けてリレーショナル調査トランザクショナル調査の2種類があります。ここではそれぞれの調査手法について解説します。

①リレーショナル調査

リレーショナル調査とは、自社ブランドに対する顧客の体験全体を評価するものです。顧客は1年間を通して商品の購入や問い合わせ、周囲の評価との照らし合わせなど自社ブランドと直接的・間接的な接点を持っています。この体験を総体的に評価します。この際、体験時の満足度も一緒に調査することで、どの体験が顧客の評価を生んだのか、言い換えればどのような体験が顧客にとって重要だったのかを分析することが可能になります。この調査は、複数のブランド体験を総体として評価するため、年に1、2回での実施が推奨されています。

②トランザクション調査

トランザクション調査は、顧客が対象となる利用体験をした直後に調査を実施・評価するものです。具体的には、顧客が店舗で商品を購入したり、サービスを利用したり、Webサイトから情報を取得したりなど、それぞれの体験を体験直後に評価します。この調査では、顧客の体験を正確に把握することができ、提供するブランドやサービスの課題発見を可能にします。それ以外にもリピート率の違う顧客の体験を比較し、サービスの改善に生かすこともできます。年間を通して実施する場合や、必要に応じてその都度実施する場合があります。

トランザクション調査の重要性とは?


2つのNPS調査は、それぞれ実施するタイミングや目的が異なります。特にトランザクション調査は年に1、2回の調査では把握できない顧客ロイヤルティの変化を捉えられるため、重要です。リアルな顧客の声を集めることで、顧客が体験した際に生じた課題を把握でき、企業のブランド戦略やサービス展開にダイレクトに反映させることが可能になります。

また、体験直後に調査をするため、回答コメントでクレーム的な回答があった場合に、即フォローする事で、顧客の離反を防ぐ事が可能です。年に1、2回の調査では、調査回答からクレーム対応を行っても、時すでに遅しで、顧客が離反してしまっている可能性があります。

しかし、個別の体験を評価することができても全体を評価することはできません。それぞれのタイミングと目的を理解して、上手に使い分けることが大切です。

まとめ


マーケティングにおいて、顧客体験を自社の成長戦略に活用できるNPS調査は、今後その重要性がますます高まっていくと予想されます。特に顧客のリアルな体験とロイヤルティの変化を把握できるトランザクション調査は、リレーション調査と併用しながら今後のマーケティング活動に活用するべき調査手法と言えるでしょう。